午前の訪問です。玄関から上がって台所の横を通ると、流しに前の晩の食器がそのまま置いてありました。茶碗にご飯が半分ほど残ったまま乾いていて、汁椀は手つかず。冷蔵庫の扉を開けさせていただくと、ご家族が買ってこられたゼリーが、封のまま並んでいました。
ご家族は「このごろ食欲がないみたいで」とおっしゃいます。血圧も熱も、いつもと変わりありません。体重計は洗面所の隅に立てかけてあって、最後に乗ったのがいつかは分からない、とのことでした。
ここで看護師が確かめるのは、献立でも食事の量でもありません。洗面所に置いてある入れ歯の洗浄剤のケースが、乾いたままになっていないか。湯呑みの減り方はどうか。そして「ちょっとお口を見せてくださいね」とお願いして、中を見ます。
——「食欲がない」は、症状の名前ではありません。何かの結果として、そう見えているだけのことがあります。ではその何かは、どこを見れば分かるのでしょうか。
ご家族は「年だから」で片づけてしまいがちです
食が細くなったとき、ご家族はまず食べやすいものを買ってこられます。ゼリー、プリン、栄養の飲みもの。それでも進まないと、「もう年だから仕方ない」というところへ落ち着いてしまいます。
けれど在宅で見ていると、食べられない理由が口のまわりにあることは少なくありません。入れ歯が合わなくなって痛い。噛むと歯茎に当たる。口の中が乾いて飲み込みにくい。飲んでいる薬の影響で味を感じにくい。どれも「食欲がない」という言葉の内側に隠れていて、外からは同じに見えます。
そして厄介なのは、ご本人がそれを言わないことです。痛いとも言わず、ただ箸が進まなくなる。毎日そばにおられるご家族ほど、連続した変化としてしか見えないので、気づくのは体重が目に見えて落ちてからになります。
虹Lifeが重く見ているのは、気づいたあとの「行き先」です
訪問看護ができるのは、気づいて、記録して、必要なら主治医に報告するところまでです。大事なのは、その先に何があるかだと考えています。
虹Lifeには訪問看護ステーションのほかに、ケアプランセンターと、お泊まりのできるデイサービスがあります。三つとも同じ法人です。口の中に気になるところがあれば、受診の段取りは担当のケアマネジャーが組みます。デイサービスでは口腔機能向上加算の届出を行っています(要介護・要支援とも)。お口の体操や状態の確認を、通う日の流れの中で続けられます。
食事そのものも、虹Lifeは食堂を自前で持っています。「大衆食堂虹Life」と呼んでいて、和食・洋食・中華の三種類から選んでいただけます。きざみややわらかさの調整、塩分や病態に合わせた個別の対応も行っています。作り置きにせず、アツアツを、いちばん美味い瞬間にお出しすることにこだわっています。
私たちが目指しているのは、退院したその日から最期のときまで、医療の必要が高い方をお断りせずに在宅で支えることです。食べられなくなったときに、看護師・ケアマネジャー・食堂が同じ法人の中にそろっているというのは、思っているより効きます。
数字より先に、暮らしのほうが戻ります
口のことが整うと、何が変わるか。体重の数字が動くのは、たいてい最後です。先に戻るのは日々の場面のほうです。
「今日のお昼、何やったと?」と、ご本人のほうから話し出す。冷蔵庫のゼリーが減っていく。夕飯の席に一緒に座る時間が長くなる。買い物のときに「これなら食べられるかな」と考えるのが、気が重い作業ではなくなる。食べることは、その日の機嫌そのものです。もちろん、どなたにも同じことが起きるとお約束はできません。
「これは訪問看護に頼むことなのか」の段階でどうぞ
虹Lifeの訪問看護ステーションは、看護師とリハビリの専門職が関わる体制をとり、二十四時間の連絡体制を整えています。退院直後の方、医療的な処置が続いている方のご相談も承っています。
うかがったうえで、必要がなければ必要がないとお伝えします。まずはご家族だけのご相談で構いません。
食べる量が減ってきた、という段階でご相談ください
「様子を見ましょう」と言われ続けている、という段階のご相談が多いです。ご家族だけのご相談、ご質問だけでも承ります。
お電話 090-1368-2456(株式会社フリーケアスタイル 虹Life)
公式LINE https://lin.ee/Y0Ds6nL(24時間いつでも。ご質問だけでもどうぞ)
すでに担当のケアマネジャーさんがおられる場合は、その方にご相談いただいても構いません。こちらから連携してお話を進めます。
