夜の九時を過ぎてから鳴る電話は、だいたい同じ言葉で始まります。「こんな時間にすみません」。用件より先に、謝罪が来ます。
訪問看護では、契約のときに緊急時の連絡先を書いた紙をお渡しします。冷蔵庫の扉や、電話台のそば、居間の柱。どこに貼っておくかは、ご家族と相談して決めます。番号が見えるところにあるかどうかで、かかってくるかどうかが変わるからです。
それでも、かけるまでに時間がかかります。あとからうかがうと、電話の前で三十分ほど迷っておられたということが珍しくありません。熱は少し高いが、本人は寝ている。呼んでいいのか分からない。救急車を呼ぶほどではない気がする。そのうちに夜中になって、結局そのまま朝まで起きていた、という話も何度もお聞きしました。翌朝の訪問で、ご家族の顔のほうが疲れていることもあります。
——迷う時間のほうが、体にこたえます。では、何を基準にすればいいのでしょうか。
ご家族に判断の基準がないのは、当たり前です
「どうなったら呼べばいいですか」と、よく聞かれます。熱が何度から、とお答えできれば簡単なのですが、実際にはその方ごとに違います。ふだんの血圧がいくつか、どんな薬を飲んでおられるか、先週からどう変わってきたか。基準は数字ではなく、その人の平常からの差です。
そしてご家族は、その平常をご存じでも、そこからどれだけ外れると危ないのかまではご存じありません。知らないのは当然で、それを知っているのが私たちの役目です。
もうひとつ、遠慮があります。夜に人を呼ぶのは申し訳ない、という気持ち。これは何度「いつでもどうぞ」と申し上げても、簡単には消えません。
迷う役を、こちらが引き取ります
虹Lifeの訪問看護ステーションは、看護師とリハビリの専門職が関わる体制をとり、二十四時間の連絡体制を整えています。
お伝えしているのは、ひとつだけです。呼ぶかどうかを、ご家族が決めなくて構いません。迷った時点で電話をいただければ、そこから先は看護師が判断します。様子をうかがって、朝まで待てるのか、今すぐ伺うのか、主治医に連絡するのか、救急にかかるのかを切り分けます。
電話で済むこともよくあります。むしろ、そのほうが多いくらいです。「それなら朝まで大丈夫です」と申し上げるためにある電話だと思っていただいて構いません。
虹Lifeには訪問看護ステーションのほかに、ケアプランセンターと、お泊まりのできるデイサービスがあります。三つとも同じ法人です。夜の出来事は翌朝の申し送りでデイの職員にも伝わりますし、続くようならケアマネジャーが計画を組み直します。私たちが目指しているのは、退院したその日から最期のときまで、医療の必要が高い方をお断りせずに在宅で支えることです。
変わるのは、布団に入るときの気持ちです
連絡先が決まっていると、夜はこう変わります。
物音がするたびに起き上がらなくてよくなる。「今夜は何もありませんように」と念じながら寝なくて済む。翌朝、様子を見て「呼ばなくてよかった」と自分を責めずに済む。迷う時間が減るというのは、眠れる時間が増えるということです。
まだ何も起きていない段階でどうぞ
虹Lifeの訪問看護ステーションは、退院直後の方、医療的な処置が続いている方のご相談も承っています。代表は社会福祉士・主任介護支援専門員です。
うかがったうえで、必要がなければ必要がないとお伝えします。まずはご家族だけのご相談で構いません。

「夜が不安」だけのご相談で結構です
何かあってからではなく、その前のご相談がいちばん動きやすいです。ご家族だけのご相談、ご質問だけでも承ります。
お電話 090-1368-2456(株式会社フリーケアスタイル 虹Life)
公式LINE https://lin.ee/Y0Ds6nL(24時間いつでも。ご質問だけでもどうぞ)
すでに担当のケアマネジャーさんがおられる場合は、その方にご相談いただいても構いません。こちらから連携してお話を進めます。
