ケアプランには、ご本人とご家族の希望を書く欄があります。様式の一番上、いちばん目立つところです。計画書はここから下の欄が決まっていくので、ここが埋まらないと先へ進めません。私たちはここを埋めるために、訪問のときに必ずうかがいます。「これから、どんなふうに過ごしていきたいですか」。
座卓にお茶を出していただいて、テレビはつけたまま、音量だけ下げて。そうしてうかがうと、返ってくる言葉はだいたい決まっています。「別に」「今のままでよか」「もう歳やから」。ご家族が横から「そんなことないでしょ、前はよく出かけてたのに」と言われて、ご本人が笑って終わる。
ここで、こちらが引っかかることがあります。希望がないのではありません。希望を口に出すのを、やめておられるのです。言えば誰かが動かなければならない。送っていってもらわないといけない。だから最初から言わない。
——では、この欄には何を書けばいいのでしょうか。
「迷惑をかけたくない」が、いちばん強い気持ちです
ご相談をうかがっていて思うのは、ご本人の遠慮は私たちが考えるよりずっと強い、ということです。
息子や娘が仕事をしているのは知っている。自分のことで休ませたくない。嫁いだ娘に頼むのは気が引ける。だから「今のままでいい」と言う。これは前向きな諦めではなく、家族を思っての取り下げです。
そしてご家族の側も、「本人が何も言わないから」と受け取ります。お互いに気を遣って、希望の欄が空いたままになる。計画書としては形が整っていても、中身が空洞になります。
今の話ではなく、昔の話からうかがいます
虹Lifeでは、この欄を「今どうしたいか」から聞き出そうとしません。たいてい出てこないからです。
代わりに、昔の話をうかがいます。どこに勤めておられたか。休みの日は何をされていたか。どこへ買い物に行っておられたか。ご自分で作っていた料理は何か。今できないことの話ではなく、昔できていたことの話をすると、人は驚くほどよく喋られます。そこに出てくる場所や習慣が、そのまま希望の中身です。
虹Lifeには、ケアプランセンター、訪問看護ステーション、お泊まりのできるデイサービスの三つがあります。三つとも同じ法人です。デイサービスの建物は昭和レトロの内装にしてあり、壁には昭和の看板が並んでいます。回想のレクリエーションも毎月組み込んでいます。聞き出す場所が、こちらにもあるということです。ご自宅の座卓では出てこなかった話が、フロアの雑談で出てくることがあります。
そして出てきた言葉は、ケアマネジャーのところへ戻ってきます。同じ法人なので、デイの職員が聞いた一言が計画の見直しに乗ります。事業所がばらばらだと、この一言は行き場がありません。
なお、現在の制度では、ケアプランの作成についてご利用者の自己負担はありません。全額が介護保険から給付される仕組みです。
希望が一つ決まると、計画の形が変わります
欄が埋まると、日々の何が変わるか。
「また、あのスーパーに自分で買い物に行きたい」。これが一つ書けるだけで、体操の目的が変わります。何分歩けたかではなく、店の入口から惣菜売り場まで歩けるかどうかになります。ご家族の側も、「行ってあげる」ではなく「一緒に行こうか」に変わります。目的が決まると、支える側の言葉づかいまで変わります。
「希望なんて特にない」とおっしゃる段階でどうぞ
虹Lifeの代表は社会福祉士と主任介護支援専門員の資格を持っています。ご本人が乗り気でない段階のご相談も承っています。
無理に希望をひねり出していただく必要はありません。昔の話をうかがうところから始めます。

ご本人が「今のままでいい」とおっしゃる段階で結構です
「本人に希望を聞いても何も言わない」というご相談が、いちばん多いです。ご家族だけのご相談も承ります。
お電話 090-1368-2456(株式会社フリーケアスタイル 虹Life)
公式LINE https://lin.ee/Y0Ds6nL(24時間いつでも。ご質問だけでもどうぞ)
すでに担当のケアマネジャーさんがおられる場合は、その方にご相談いただいても構いません。こちらから連携してお話を進めます。
