今週の火曜、フロアでは「敬老週間 似顔絵・感謝カード作り」をしていました。テーブルに画用紙と色鉛筆を広げて、塗るだけ、貼るだけでも作品になるようにしています。そして一昨日の金曜が敬老会でした。長寿を祝う演芸会をして、大衆食堂虹Lifeのお昼は鯛の姿焼き風のお祝い膳、おやつは紅白の上生菓子でした。
その準備をしていた頃、送迎のときにご家族から何度か聞かれました。「敬老の日、何か贈ったほうがいいですよね。何がいいですか」。花か、菓子折りか、肌着か。毎年同じもので芸がない、とおっしゃる方もおられます。
こちらが引っかかるのは、その質問の形のほうです。贈り物の中身を本気で迷っておられるというより、「何を話せばいいか分からない」という困りごとが、贈り物の相談の形で出てきているように聞こえることがあります。年に何度か顔を合わせても、天気と体調の話で三十分が終わってしまう。
——明日は敬老の日です。では、贈り物の代わりに持っていけるものは、何かあるでしょうか。
話題がないのではなく、話の入口が分からないだけです
ご家族から「親と何を話せばいいか分からない」とうかがうことは、珍しくありません。介護が始まると、会話が用件だけになります。薬は飲んだか、ごはんは食べたか、病院はいつか。確認の言葉ばかりになって、どちらも疲れます。
ご本人の側にも事情があります。今日できなかったことの話はしたくない。心配をかけたくない。だから「変わりない」で終わらせます。お互いに気を遣った結果、話すことがなくなっていきます。
昭和の話は、いちばん強い共通言語です
虹Lifeでは、思い出を語っていただく時間をレクリエーションの柱のひとつにしています。今月は「昔のくらし回想すごろく」、来月は「秋祭り・神輿の回想と祭囃子」を予定しています。年間の行事計画にも、回想法(昭和のくらし)を毎月組み込んでいます。
そして虹Lifeの建物は、昭和レトロの内装にしてあります。壁には昭和の看板が並んでいます。これは雰囲気づくりのためだけではありません。「昭和の話が通じる場所」であることが、ここでは一番のねらいです。今日できないことの話ではなく、昔できていたことの話をする時間があると、人は驚くほどよく喋られます。
ご家族にお答えしているのは、こういうことです。贈り物は、何でも構いません。それより、写真を一枚持っていってください。古いアルバムでも、実家の近所を撮ったスマートフォンの写真でも構いません。「これ、どこだった?」から始めると、天気の話では出てこない話が十分は続きます。勤めていた頃の話、若いころ通った店の話、どこかへ出かけた日の話。
そのとき出てきた言葉は、あとで私たちにも教えてください。何が好きだったか、何をしていた人なのかが分かると、レクリエーションの誘い方も、食堂での声のかけ方も変わります。虹Lifeには、ケアプランセンター・訪問看護ステーション・お泊まりのできるデイサービスがあり、三つとも同じ法人です。うかがったお話は、関わる職員のあいだで共有できます。
変わるのは、電話の中身のほうです
話の入口がひとつできると、その先が変わります。
電話で「変わりない?」以外の話ができるようになる。次に帰ったときに、続きから話せる。ご本人が「この前の写真の話だけど」と、自分から言い出すことがある。介護の会話が、確認から雑談に戻っていきます。これはご本人のためであると同時に、ご家族の気持ちのためでもあると思っています。
敬老の日は、少し照れくさいものでもあります
最後にひとつ。「敬老」という言葉を、素直に受け取れない方もおられます。祝われる側に座ることそのものが、年寄り扱いに感じられるからです。先日の敬老会でも、表彰される席に座るのを遠慮される方はおられました。
ですので、「おめでとう」よりも、「あのとき助かった」と具体的に伝えるほうが届くことが多いです。贈り物より、その一言のほうが残ります。

見学だけ、お電話だけで結構です
「本人が年寄り扱いを嫌がる」というご相談が、いちばん多いです。ご家族だけの見学も承っています。
お電話 0984-27-3216(地域密着型お泊まりデイサービス虹Life)
公式LINE https://lin.ee/Y0Ds6nL(24時間いつでも。ご質問だけでもどうぞ)
すでに担当のケアマネジャーさんがおられる場合は、その方にご相談いただいても構いません。こちらから連携してお話を進めます。
